日本でもどんどん広がりつつある IoT(モノのインターネット)。導入する上で欠かせないのが、ルーターやゲートウェイなどの無線接続デバイスで、最近は海外ブランドを使用する企業も増えているようです。でもちょっと待ってください!そのブランド、「技適」基準を満たしていますか?

「技適」とはなにか?

「技適」とは「技術基準適合証明」の略称。特定無線設備が日本の「電波法」の技術基準に適合していることを証明すること、です。ちょっとややこしいですね。簡単に説明しましょう。

IoTデバイスに限らず、無線を送受信して通信をするデバイスが世の中にはたくさんあります。わかりやすい例でいくと個人でもつ携帯電話もそうです。そういったデバイス同士が通信をする場合、同じ条件の電波を利用する必要があります。というより、異なる条件の電波同士ではそもそも通信ができません。

普段そのようなデバイスで使用される電波にはいくつかの種類があり、種類ごとにきちんとした「規格」があります。みなさん一度は聞いたことがあるであろう、3Gや4G、Wi-Fiなどというのは、そういった「規格」のひとつです。それぞれ「規格」ごとに周波数帯や通信速度、出力などに細かい決まりごとがあるのです。

ここで「技適」の話に戻ります。上記の話をふまえて説明するならば、「技適」とは、その通信デバイスが日本の電波の「規格」=「決まりごと」に沿っているかを確認し、証明するもの、ということができます。

さらに私たちが普段「技適」と呼んでいる資格には2つの種類があります。ひとつめは、「技術基準適合証明」。略称「技適」の元になっているものです。製品1台ごとに試験と書類審査をおこない、技術基準に適合しているかを判定します。

ふたつめは「工事設計認証」と呼ばれるものです。製品そのものではなく、設計(工事設計)や取り扱いの段階における品質管理方法(確認方法書)を対象にして判定されます。大量生産されている携帯電話やIoTデバイスなどが「技適」を取得している場合は、基本的にこの「工事設計認証」だと思ってもらって間違いないでしょう。

「技適」がない製品は違法になる?

最近では、携帯端末やIoTデバイスなどの無線機器が、Amazon等のオンラインショップでも気軽に購入できるようになりました。中には海外直接輸入品もたくさんあります。しかし、これらの輸入品の中には、当然「技適」認証を受けていない製品もあることでしょう。

「技適」を取得してない、ということは、日本の電波規格にそわない電波を発する可能性のあるデバイスである、ということです。そのようなデバイスを使用すると通信ができないだけではなく、ちがう周波数の電波を発することで他のデバイスの通信に影響を与えることも考えられます。世の中に無線デバイスがあふれている現代において、通信障害が起こればの被害は甚大(じんだい)なものになるでしょう。

そのような事態を避けるために、日本では無線局(無線デバイス)に関する法律が「電波法」として定められているのです。「技適」の取得も「電波法」に定められたれっきとした法律で、不法無線機器を使用した場合は「1年以下の懲役または100万以下の罰金に処する場合がある」とされています。後々のトラブルを避けるためにも、使用する無線デバイスがきちんと「技適」を取得しているか、確認したいところです。

テルトニカ・ネットワークス製品の「技適」事情

テルトニカ・ネットワークスのIoT産業用ゲートウェイは、RUT240、RUT950等のベストセラー製品をはじめとする複数の製品にて「技適」を取得しています。2020年の4月に改正されたIoTデバイスの技適基準もきちんと満たしており、安心、安全にご利用いただけます。

ここまでは、日本の「電波法」に基づく「技適」=「技術基準適合証明」のお話をさせていただきましたが、じつはこれだけではありません。携帯電話やモデム、ファックスなど、公衆回線すなわち電気通信事業者のネットワークに接続する製品には「電気通信事業法」の定める「技術基準適合認定」もあわせて取得する必要があります。(あまりにも似ていて混乱してしまいそうですね)もちろん当社の製品は、両方の認定を取得しております。

昨今日本でもDX(デジタル・トランスフォーメーション)がしきりにささやかれるようになりました。今後はどのような業種、業態であっても「IoT化」となんらかの形で関わりをもつことになり、無線接続デバイスの需要は増加の一途をたどることと思われます。産業用接続デバイスを選ぶさいには、ぜひこの「技適」のことを頭の片隅に置いておいていただければ幸いです。

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