IoT機器や産業設備をネットワークにつなぎたいものの、「大掛かりなルーターまでは必要ない」「設置スペースが限られている」といったケースは少なくありません。

 そんな用途で注目したいのが、Teltonika Networksの産業用LTEゲートウェイ TRB140 です。

 TRB140は、LTE Cat.4によるモバイル通信とギガビット・イーサネットを搭載した、小型・軽量・省電力の産業用IoTゲートウェイです。国内向けには技適を取得しており、スマートメーターや産業機器、POS端末などのIoT・M2M用途が想定されています。

 今回は、このTRB140の特長を整理してみます。


TRB140とは?

 TRB140を一言で表現するなら、

有線LAN対応機器に4G LTE通信を追加するための、コンパクトな産業用IoTゲートウェイ

 と考えると分かりやすいでしょう。

 LTE Cat.4に対応し、最大通信速度は下り150Mbps、上り50Mbps。さらに10/100/1000Mbps対応のギガビット・イーサネットを1ポート搭載しています。

 USBモデムのような単純な通信デバイスとは異なり、OpenWrtベースのLinux OS「RutOS」を搭載し、VPN、ファイアウォール、遠隔管理、MQTTなど、IoTゲートウェイとして必要になるさまざまな機能を備えているのがポイントです。

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TRB140

特長① 小さな筐体に4G/LTEとギガビットEthernetを搭載

 TRB140の大きな特長は、そのコンパクトさです。

 本体サイズは 74.5 × 25 × 64.4mm、重量134g。このサイズにLTE Cat.4とギガビット・イーサネットを搭載しています。

そのため、

  • 制御盤内に大きな通信機器を設置できない
  • 既存設備に後付けでLTE通信機能を追加したい
  • できるだけ省スペースでIoT化したい

といった用途との相性がよさそうです。

 「Ethernetしか持っていない既存装置をモバイル回線につなぐ」という用途は、TRB140の分かりやすい活用方法でしょう。


特長② 産業用途を意識したタフな設計

 工場や屋外設備などでは、一般的なIT機器より厳しい環境条件への対応が求められます。

 TRB140はアルミニウム筐体を採用し、動作温度は、-40~75℃。9~30VDCという幅広い電源入力にも対応しています。

 このため、オフィス内だけでなく、設備側への組み込みを意識した設計になっています。


特長③ VPNやファイアウォールを備えた本格的なネットワーク機能

 小型だからといって、ネットワーク機能が簡略化されているわけではありません。

 TRB140には、OpenVPN、IPsec、WireGuard、ZeroTierなど、多数のVPN・トンネリング機能が用意されています。また、ファイアウォール、DHCP、DDNS、QoS/SQM、DNS over HTTPSなどにも対応しています。

たとえば、

現場の設備 → Ethernet → TRB140 → LTE → VPN → 拠点 / クラウド

という構成を検討できます。

 単に「LTEにつながる装置」ではなく、現場側の小型ネットワークゲートウェイとして利用できるところがTRB140の強みと言えそうです。


特長④ IoT向けプロトコルやクラウドとの連携にも対応

 IoT用途では、通信回線だけでなく、その先にあるクラウドやデータ収集基盤との連携も重要です。

 メーカーサイトでは、産業用通信プロトコルとしてModbusやDNP3への対応やMQTTに加えて、AWS IoT Core、Azure IoT Hub、ThingWorx、Cumulocityなどのクラウドソリューションへの対応も掲載されています。

したがって、単に遠隔地をインターネットにつなぐだけでなく、

センサー / 設備 → TRB140 → LTE → IoTクラウド

といった構成にも利用できます。


特長⑤ RMSによるリモート管理

 大量のIoTゲートウェイを複数拠点に展開すると、問題になるのが運用・保守です。

 TRB140は、Teltonika Networksの RMS(Remote Management System) に対応しています。RMSを利用することで、遠隔から機器の監視・設定・保守をおこなえます。

 「通信障害のたびに現地へ担当者を派遣する」という運用を減らせる可能性があるため、数台ではなく数十台、数百台規模へ展開する場合ほど重要になる機能でしょう。


特長⑥ 日本国内で使いやすい「技適取得済み」

 海外製IoT機器を日本で利用するときに注意したいポイントの一つが、電波法への適合です。

TRB140は、日本市場向けの技適を取得済みで、国内で適法にご利用いただけます。

 海外製産業用ゲートウェイを国内のIoT案件に採用する際には、これは重要な選定ポイントのひとつになります。


主な仕様をまとめると

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TRB140の仕様

どんな用途に向いている?

 仕様から考えると、TRB140は特に次のようなケースで有力な選択肢になります。

1. 既存の有線LAN機器をLTE化する

 Ethernetしか備えていない産業機器や計測装置を、LTE経由で遠隔地と接続する構成です。

2. 遠隔地のIoT設備をクラウドにつなぐ

 スマートメーター、計測器、産業機器、POS端末、製造設備などをインターネット経由でIoTプラットフォームへ接続する用途です。

3. VPN経由で遠隔保守する

 VPN機能とLTE回線を組み合わせ、遠隔地に設置した設備へ安全にアクセスする構成が考えられます。

4. 狭い制御盤内へ通信機能を追加する

 74.5 × 25 × 64.4mmというサイズを生かし、スペースが限られた設備への組み込みにも向いています。


TRB140を選ぶポイント

 TRB140の魅力は、単純な性能の高さよりも、

「LTE + Ethernet + 産業用途向けの堅牢性 + Linux + VPN + IoT + 遠隔管理」を134gの小型筐体にまとめていること

 にあるのではないでしょうか。

 特に、「Ethernet対応の既存設備をLTE化したい」「遠隔地の設備をVPNやクラウドにつなぎたい」という用途では、非常に分かりやすい製品です。

 一方で、Ethernetポートは1ポート、SIMも1枚なので、複数の有線機器を直接収容したい場合や、デュアルSIMによるモバイル回線冗長化が必要な用途では、要件に合わせて別機種も含めて比較するのがよいでしょう。

 コンパクトなIoTゲートウェイを探している場合には、候補に入れておきたい一台です。


参考


弊社公式ECサイト