まずは8機種の違いをざっくり理解する

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技適マーク取得済の8機種 (2026/10/23現在)

 FE=Fast Ethernet(10/100Mbps)、GbE=Gigabit Ethernetとして表記しています。各仕様は公式ページ記載内容に基づきます。

 実際には、単純な「上位・下位モデル」というよりも、用途に応じて必要なインターフェースと通信方式から選択する製品群と考えると分かりやすいでしょう。

① シンプルな4Gルーターなら「R1510」

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R1510

R1510は、コンパクトな産業用LTE Cat-4ルーターです。

 Ethernetは10/100Mbps×2ポートで、2×LANまたは1×LAN+1×WANとして使用できます。オプションの2.4GHz Wi-Fi、DI/DO、VPN、RCMSによる遠隔管理などにも対応しています。筐体は樹脂製で、サイズは31.5×91.5×91.5mm、重量150gです。

こんな用途に

  • IoT機器を4G回線につなぎたい
  • Ethernet機器を遠隔地に設置したい
  • ルーターに多数のLANポートを必要としない
  • コンパクトな4Gルーターを探している

 メーカーサイトでは、キオスク、チケットシステムなどがユースケースとして紹介されています。

「まずシンプルな4Gルーターが必要」という場合の候補にしやすいモデルです。

② RS-232 / RS-485機器を接続するなら「R1511」

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R1511(※EOL品、弊社保有在庫限り)

 R1511はR1510と似たコンパクトな構成ですが、大きな違いはシリアル接続への対応です。

 10/100Mbps Ethernet×2に加え、ハードウェア仕様によってRS-232またはRS-485を備えています。またModbus RTUからTCPへのゲートウェイ機能やTransparent TCP/UDPモードも用意されています。

こんな用途に

  • PLCをLTE経由でネットワークにつなぎたい
  • RS-485接続の計測機器を遠隔監視したい
  • 既存のシリアル機器をIPネットワークへ接続したい

 メーカーサイトでは、PLC/SCADA、エネルギー計測、環境モニタリングなど、産業設備との接続を強く意識したユースケースが紹介されています。

EthernetだけならR1510、Serialが必要ならR1511というのが、この2機種を理解するうえで分かりやすい切り分け方です。

※R1511は、既に製造が終了している製品で、弊社保有在庫品が無くなり次第提供が出来なくなる製品です。

③ 接続機器が多いなら「R1520」

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R1520

R1520で特長的なのが、5つのEthernetポートです。

 5×LAN、または1×WAN+4×LANとして構成でき、さらにDual SIM、RS-232、RS-485、DI/DO、Analog Inputも搭載しています。

 つまり、単にLTE回線をEthernetへ変換するだけでなく、複数のEthernet機器やフィールド機器をまとめて接続したい用途で注目したいモデルです。

こんな用途に

  • LAN接続する機器が複数ある
  • Serialも使用したい
  • センサー信号も取り込みたい
  • Dual SIMによる通信冗長化が必要
  • 車載用途も検討したい

 メーカーサイトでは、車載Connectivity Hub、ITS、デジタルサイネージなどがユースケースとして掲載されています。

④ 産業設備との接続性と堅牢性を重視する「R2010」

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R2010

R2010はDual SIM対応の4G/LTE産業用ルーターです。

 Ethernet×2に加え、ソフトウェアで切り替え可能なRS-232/RS-485、DI/DOを備えています。金属製IP30筐体を採用し、動作温度は-35~+75℃です。

 メーカーサイトでは、Industrial PLC Connectivity、ATM Connectivity、Environmental Monitoringのユースケースを紹介しており、産業設備への組み込みを意識した製品といえます。

こんな用途に

  • PLCなどの産業機器を接続する
  • Dual SIMが必要
  • SerialとDI/DOを利用する
  • 金属筐体のルーターを使いたい

DB9のシリアル機器なら「R3000-Lite」

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R3000-Lite

少し性格が異なるのがR3000-Liteです。

 Ethernetは10/100Mbps LAN×1ですが、特長はDB9コネクタを持つシリアルインターフェースです。メーカーは同製品を、DB9を備えた同社唯一のルーターと説明しています。Dual SIMにも対応します。

 メーカーサイトのユースケースとしては、自動検針、パイプラインなどの遠隔設備、電力配電などが紹介されています。

こんな用途に

  • DB9接続の既存シリアル機器がある
  • 既存設備をLTEネットワーク化したい
  • 検針・電力・インフラ設備などで使いたい

 最新仕様だけを比較するのではなく、既設システムとの接続方法から選ぶ場合に重要なモデルです。

⑥ Ethernetポート数と通信速度が重要なら「R2110」

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R2110

 R2110はLTE Cat-4+Dual SIMの構成に、4ポートのGigabit Ethernetを組み合わせたモデルです。

 4×LANまたは1×WAN+3×LANとして使用でき、RS-232、RS-485、DI/DO、USB、microSDも備えます。Wi-Fiは、2.4GHz/5GHzの802.11acに対応しています。

こんな用途に

  • 複数のEthernet機器を接続する
  • Gigabit Ethernetが必要
  • Serial機器も接続する
  • Dual SIMによるバックアップを利用する

4Gで十分だが、LAN側のポート数やEthernet速度を重視したいケースでは検討しやすいモデルでしょう。

⑦ 5Gが必要なら「R5020-Lite」

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R5020-Lite

ここからは5Gモデルです。

 R5020-Liteは、3GPP Release 16に対応した産業用5Gルーターで、Dual SIM、2×Gigabit Ethernetに加えて、ソフトウェア切替式RS-232/RS-485を備えています。オプションでGNSSにも対応します。

 メーカーサイトでは、ユースケースとして車載通信、SD-WANの5Gバックアップ、高速Industrial IoTを挙げています。Industrial IoTについては、ロボット、映像、テレメトリなどデータ量の多いワークフローへの5Gバックホールをご紹介しています。

こんな用途に

  • 5Gを利用したい
  • Gigabit Ethernetが必要
  • Serial機器も接続したい
  • 映像など比較的データ量の多い用途を検討している
  • 5Gをバックアップ回線として活用したい

⑧ 5G+eSIM運用なら「R5020Le」

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R5020Le

 R5020LeはR5020-Liteをベースとしつつ、eSIM/eUICCに対応したモデルです。

 1×物理SIM(2FF)に加えてMFF2 eSIMを搭載し、SGP.22に準拠。最大8つのeSIM/eUICCプロファイルを扱えるとされています。RCMSからeSIMプロファイルの管理にも対応します。

 通信・インターフェース面では5G、2×Gigabit Ethernet、Serial、オプションGNSSなどを備えています。

こんな用途に

  • 5Gを利用する
  • eSIMを活用したい
  • SIM管理の運用負荷を減らしたい
  • 複数地域への展開を想定している

 メーカーサイトでは、Primary/Backup BroadbandやGlobal Retail Branch Rolloutsなどを代表的なユースケースとして挙げています。

 R5020-Liteと迷った場合は、eSIM/eUICCを必要とするかどうかが重要な選定ポイントになります。

結局、どれを選べばよい?

 スペック表をすべて比較するより、最初に用途から候補を絞ると選びやすくなります。

「シンプルな4G接続」が目的

→ R1510

Ethernet中心のシンプルな構成であれば、まず候補になります。

「RS-232 / RS-485機器を4Gにつなぎたい」

→ R1511

既存PLCや計測器など、Serial機器との接続がポイントです。

「Ethernet接続機器が多い」

→ R1520

Fast Ethernetを5ポート備えていることが大きな特長です。

「Dual SIM+Serial+金属筐体」

→ R2010

産業設備への接続とDual SIMを組み合わせたいケースで比較したい製品です。

「DB9の既存機器を生かしたい」

→ R3000-Lite

DB9を必要とするレガシー設備との接続が明確なら、有力な候補です。

「4GでGigabit Ethernetを複数使いたい」

→ R2110

Gigabit Ethernet×4という構成が選定上の大きなポイントです。

「5Gが必要」

→ R5020-Lite

5G+Gigabit Ethernet+Serialを組み合わせたい場合の候補です。

「5G+eSIMが必要」

→ R5020Le

eSIM/eUICCによる遠隔プロファイル管理を重視する場合はこちらです。

迷ったときは、この順番で考える

 機種選定をさらに単純化すると、次の順番で考えると分かりやすいでしょう。

STEP 1 4Gでよい? それとも5Gが必要?

↓

STEP 2 Ethernetは何ポート必要?

↓

STEP 3 RS-232 / RS-485は必要?

↓

STEP 4 DI/DOやAnalog Inputは必要?

↓

STEP 5 Dual SIMが必要?

↓

STEP 6 eSIM運用が必要?

例えば、

Ethernet機器1台を4G接続したい
→ R1510

PLCのRS-485を4G化したい
→ R1511

複数LAN機器+Serial+I/Oを接続したい
→ R1520

Gigabit Ethernetを複数使いたいが4Gでよい
→ R2110

5G+Serialが必要
→ R5020-Lite

さらにeSIMも必要
→ R5020Le

 という具合に絞り込めます。各例は、メーカーの公式仕様をベースにした選定例です。

ロバステル社製品に共通する「RCMS」

 今回比較した製品では、いずれもロバステルのクラウド型デバイス管理サービス「RCMS」への対応が案内されています。

 RCMSでは、ロバステル社製ルーター群の状態確認、設定、アップデートなどを一元的に管理できます。多数のルーターを複数拠点へ設置する場合には、ルーター単体のスペックだけでなく、導入後の管理方法まで含めて検討することがポイントになります。

まとめ

 ロバステル社製の産業用ルーターは、一見すると似たような製品が並んでいるように見えます。

しかし実際には、

R1510 → シンプルな4G接続
R1511 → Serial対応のコンパクト4G
R1520 → 多ポート・多インターフェース
R2010 → Dual SIM+産業設備接続
R3000-Lite → DB9・既存設備
R2110 → 4G+4ポートGigabit Ethernet
R5020-Lite → 5G+産業機器接続
R5020Le → 5G+eSIM

と整理すると、違いがかなり見えやすくなります。

 産業用ルーターでは「高性能な製品を選ぶ」ことよりも、現場で接続する機器、必要なポート、通信方式、冗長化、そして将来の運用方法に合った製品を選択することが重要です。

 まずは「4G/5G」「Ethernetポート数」「Serial」「Dual SIM」「eSIM」という5つのポイントから候補を絞ると、適切なモデルを見つけやすくなるでしょう。